(p,2p)原子核反応は、その反応機構が簡単であるとともに、原子核内における束縛陽子の1粒子状態と有効相互作用に関する情報が得られるという特徴を持っている。従来より、非相対論的DWIAモデルを用いた実験結果の解析が進められてきたが、最近では、標的核の構造と反応機構を相対論的に取り扱った相対論的DWIAモデルが適用され成果をあげている。
本セミナーでは、相対論的DWIAモデルを紹介した後に、偏極陽子によるスピン観測量の解析結果について報告する。また、相対論的DWIAモデルを用いた(p,2p)原子核反応における核内媒質効果の研究について議論する。