Sendai Nuclear Science Colloquium (No. 180)

X線ガンマ線観測による宇宙と素粒子

高橋 忠幸

宇宙航空研究開発機構

日時:2004年01月15日(木) 16:20-

場所:大学院講義室(総合研究棟7階745号室)

> 最近、電波・X線・ガンマ線の観測が進むにしたがって、ほとんど光の速さにまで加速された荷電粒子が宇宙のいたるところに存在することが明らかになってきた。こうした高エネルギー粒子の加速は、超新星爆発から、銀河、銀河団、そしてブラックホールから吹き出すジェットにいたるまで、様々な環境で見られる宇宙の普遍的な現象であると考えられるようになっている。この事実は、宇宙のエネルギー全体を考えるときに、我々がこれまで考えていた熱的なエネルギーとは異なり、加速された粒子のように、非熱的な形態をとるエネルギーが大きな役割を果たしていることを示唆する。本講演では、これまでの科学衛星による観測で垣間見えてきた「非熱的宇宙」について解説するとともに、我々がどのような将来ミッションによって、「隠された非熱的エネルギー」を探ろうとしているか、具体的なミッション計画やテクノロジーをふまえて講演する。