Sendai Nuclear Science Colloquium (No. 253)

格子QCD計算とクォークの閉じ込め

佐々木勝一

東北大学大学院理学研究科

日時:2012年04月24日(火) 16:00-

場所:大学院講義室(総合研究棟7階745号室)

これまでクォークの閉じ込めは、Wilsonループを使った、つまりクォーク質量無限大の極限においてはよく研究されてきた。クォーク質量が有限な効果については摂動論的にクォーク質量の逆数を展開パラメーターとしてその効果が見積もられてきが、T. Kawanai and S. Sasaki, Phys. Rev. Lett.107 (2011) 091601.において、格子QCDによる核力ポテンシャルの導出で成功した二体ハドロン間のBethe-Salpeter振幅からハドロン間ポテンシャルを導出する定式化をクォーク-反クォーク系に応用することで、有限クォーク質量でのクォーク間ポテンシャルの導出に成功し、有限クォーク質量においてもクォークの閉じ込めが示すことができた。この新しい方法を応用した新たな研究の方向性についても紹介する予定である。