Sendai Nuclear Science Colloquium (No. 254)

重イオン散乱における核反応ダイナミクスの分析と虚数部ポテンシャルの役割

古本猛憲

理化学研究所

日時:2012年10月18日(木) 16:30-

場所:大学院講義室(総合研究棟7階745号室)

これまで我々は、重イオン散乱において現実的核力に基づいた微視的核反応模型の構築を行ってきた。その結果、実験データを散乱角の後方まで非常によく再現することができた。さらに、その微視的核反応模型を今後RIBFなどで実験測定されるであろう比較的高いエネルギー領域(E=300-400MeV/u)まで拡張した。その高いエネルギー領域において、我々の提唱した微視的核反応模型は斥力ポテンシャルを予言し、その性質を nearside/farside (N/F) 分解することによって明らかにすることができた。本研究では、その次の段階となるチャネル結合の効果について報告し、非弾性散乱反応における虚数部ポテンシャルの重要な役割について議論する。