Sendai Nuclear Science Colloquium (No. 279)

新元素合成の成功に向けた理論計算による挑戦

有友嘉浩

近畿大学理工学部

日時:2017年11月16日(木) 16:30-

場所:理学研究科合同B棟721号室

新元素である113番元素は、日本の理化学研究所のチームが合成に成功し、遂に2016年の秋、ニホニウム(元素記号Nh)として周 期表に付け加えられた。初めて日本に由来する名を持つ元素が加わり、そしてその名は未来永劫、人類によって使用されることに なる。原子番号が100番以上である「超重元素」は、加速器という巨大な実験施設を使って合成されるが、多くの困難に直面しては、 一つ一つ乗り越え、時代とともに一歩一歩進んで来た。セミナー では新元素の生成確率を理論計算によって評価する手法(散逸揺 動理論に基づく動力学模型、ランジュバン方程式)を紹介し、また これから目指す未知の元素、すなわち人類未踏の第8周期元素であ る119番元素到達可能性について議論したい。

*このColloquiumは大学院集中講義の一環として行われます。