Sendai Nuclear Science Colloquium (No. 289)

相対論的密度汎関数理論の構築〜超重元素の理解に向けて〜

内藤智也

東京大学大学院理学研究科

日時：2019年04月17日（水） 15:00-

場所：大学院講義室（総合研究棟7階745号室）

超重元素の研究は, 原子核物理, 化学の分野で広く興味がもたれており,広く実験が進められている.理論的には, 超重元素の原子核構造はクーロン斥力と核力の競合として, 超重元素原子の電子構造は強いクーロン外場の下の電子状態の物理として理解されるため, ともに電磁気力の寄与をより精度 良く理解することに帰着される.本講演では, 原子核, 原子, 分子, 固体など幅広い量子多体問題を解く強力な手法である密度汎関数理論の基礎的な話を振り返り, 講演者が取り組んでいる超重元素の原子核構造の理解や核力の理 解に向けた, クーロン力の寄与の評価精度向上の手法開発 [1, 2], 超重元素の電子状態の研究 [3] について紹介する.

[1] T. Naito, R. Akashi, and H. Liang. PRC 97, 044319 (2018).

[2] T. Naito, X. Roca-Maza, G. Colo?, and H. Liang. PRC 99, 024309 (2019).

[3] T. Naito, R. Akashi, H. Liang, and S. Tsuneyuki. To be submitted.