原子核理論セミナー (No. 298)

弱い力のパリティの破れと超新星

山本 直希

慶應大学

日時:2023年11月20日(月) 13:00-15:00

場所:理学研究科合同B棟5階 541号室

重力崩壊型超新星は、大質量星の進化の最終段階で重力崩壊し、中性子星へ転移する過程に付随する爆発現象である。この重力崩壊の際に解放される重力エネルギーの大部分がニュートリノになるため、超新星の爆発現象を含む時間発展は、弱い相互作用を介したニュートリノと核子や電子から構成される物質との間のエネルギーの輸送が鍵になる。 しかし、従来用いられてきたニュートリノ輸送理論は、パリティを破るという弱い相互作用の基本的な性質が考慮されておらず、系の対称性に基づく低エネルギー有効理論として正しくない。本セミナーでは、パリティの破れを考慮したニュートリノ輸送理論と、その超新星の時間発展やマグネター、パルサーキックへの応用について議論する