平成21年度新潟大学大学院博士前期課程集中講義
講師:  佐々木勝一氏(東京大学)
タイトル:格子QCDによるハドロン物理
日程:  6月24日(水)3,4限
     6月25日(木)2,3,4限
     6月26日(金)1,2限
場所:  理学部A314

ハドロンとは強い相互作用をするバリオンやメソンの総称であり、強い相互作用
の基礎理論はハドロンの構成要素であるクォークとグルーオンを自由度として記
述される量子色力学(QCD)として知られている。このQCDを非摂動的に計算する
手法が格子QCDであり、昨今の計算機の飛躍的進歩により、格子QCDシミュレーシ
ョンが幅広くハドロン物理の研究の道具として有効活用される状況になってきて
いる。本講義では、格子QCDの理論的基礎とともに、
・格子QCDについては興味があるが、その内容を理解できていないと感じている人
・格子QCDについて多少の知識があるがシミュレーションを始めることに躊躇している人
・格子QCDを利用してハドロン物理や場の量子論の研究における自分のアイデアを検証してみたい人
などをターゲットに見据えた、数値計算の概要なども含む格子QCDの実践入門的な
講義を予定している。

講義予定:
24日(2コマ)
*量子色力学のOverview
*格子ゲージ理論の定式化と基礎
25日(3コマ)
*格子QCD実践編(モンテカルロ法基礎からハドロン質量の測定まで)
26日(2コマ)
*最近の発展1:現実的な格子QCD数値実験による核子構造の研究
*最近の発展2:格子理論における散乱問題